●雲に手が届く街 ストーンヘンジへ
こちらは『ストーンヘンジ』の入場口の看板です。さすがに観光スポットだけあって8ヶ国の言葉で解説を聞く事が出来ます。さしずめこの看板はそのご案内と言ったところでしょうか…

これが各国の言葉で解説を聞く事が出来るリコーダーです。携帯電話より一回り大きいサイズです。使用方法はいたって簡単、『ストーンヘンジ』の各場所には番号札が置いてあり、その前に行ってこのリコーダーの番号を押すとその場所についての解説を聞くことが出来る訳なのです。2番の前に行きリコーダーの2番ボタンを、3番の前ではリコーダーの3番ボタンをって感じです。しかも価格は無料!最近の『ENGLISH HERITAGE』ではどこへ行ってもこの便利で親切なリコーダーを見る事が出来ます。ただ、日本語バージョンが少ないのが残念です。写真でお分かりのとおり、常に貸し出し状態なのです。

入場口でお金を払ってから、短い地下トンネルのような場所を通って『ストーンヘンジ』に行きます。途中の壁には紀元前に古代人達が『ストーンヘンジ』を造ったであろうと言う想像の絵が描かれています。一見チープですがよく見るととても繊細に描かれていて驚かされます。

 さて、製作されたのが紀元前って事は、それまでのイギリスの歴史を見守り続けて来た事にもなりますね。過去の文化人達もこの『ストーンヘンジ』には色々な名言とも呼べる言葉を残しているようです。かの有名なアーサー王伝説の根拠となった『ブリトン人史』の著者、8世紀のネンニウスはこの『ストーンヘンジ』の事を『魔法使いマーリンが魔法でアイルランドから運んだ』と記しています。また17世紀の建築家イニゴー・ジョ−ンズは『古代ローマ人の神殿だ』と、時の国王ジェームズ1世に報告したそうです。
  何だか今みたいに指先1本で自宅のパソコンから全ての情報が取り出せる時代とは異なり、全くの超アナログな時代だった事は間違い無いでしょうが、人の感覚や感情や感受性は個々の時代で全く異なった発展の仕方をする物。ネンニウスの時代に比べて便利さは格段の進歩をとげましたが、少し幼稚とも思える魔法使い発言に、何だか希薄とも思える今の世の中よりは幸せだったのかな?何て少し考えさせられたりしますね…


青空と『ストーンヘンジ』です。思わず言葉を失います…良く見ると面白い事に縦石と横石はかみ合うように施工されているんですよ。縦石の上部にはそれぞれ突起の部分があります。その部分に合わせるように積み重ねる横石には窪みがつけられた訳です。簡単に言えば凹凸を組み合わせて石が崩れないようにしているって事。恐るべし古代人の知恵・・・

 ただ、この『ストーンヘンジ』も最近の研究で、冬至や夏至の太陽の動きとこの巨石の位置の関係が明らかになって来たそうです。そんな訳で古代の天文観測所だとの説も急浮上しているそうです。また、他の研究者の中には祭祀ではないか?との意見も…いずれにせよ『ストーンヘンジ』は、1個の巨石を運ぶだけでも、山からの切り出し、運搬等の工程を考えれば最低でも6、000人の人手が必要だったとの事…たった1個の巨石にですよ!ですから全ての『ストーンヘンジ』の製作にかかわった人の人数、それに製作日数を考えれば、正しく天文学的な数字になる訳です。
 けれども、科学的に色々な事が証明された昨今でも、紀元前の遺跡に対する考古学調査には限界があり、やはりその謎は永遠に解ける事は無いとの事…
案外、まゆつば本の“宇宙人の遺跡説”が正解だったら本当に面白いですね!そんな事を考えながら、手が届きそうな位に低い雲の下『ストーンヘンジ』を眺めながらゆっくりとストーンサークルを歩くのが僕は大好きだったりします。
            つづく→

以前は石の近くまで入る事が出来たそうですが、心ない人達が『ストーンヘンジ』に登ったりする事件が続発!最近ではロープが張られて近くまで行くことが出来なくなりました。この写真、よ〜く見ると『ストーンヘンジ』の上で鳥が休んでいます。現在、ストーンヘンジに触る事が出来るのは空からの訪問者だけのようです。

『ストーンヘンジ』の入り口付近です。人、人、人…紀元前の古代人達が見たら、この光景をどう思うのでしょうかね。

ご多分にもれず、ここでも色々なストーンヘンジ関連グッズを販売しています。中でもキワモノがこのドーナツ、その名も『ストーンヘンジ・リング』…って、お前なぁ〜普通のドーナツじゃん!

観光客の食べ残しを狙ってか、この辺りには異常に鳥が多いように思えます。人の事を全く恐れる様子も無く、どんどん近寄って来ます。中には鳥と一緒に記念撮影する人も…