僕が一番好きな、右斜め前からのショットです。一見、何でもない純正仕様に見えるかも ? しれませんが、細部に渡り、カスタムの手が入っています。


『フロント・フォーク』 は 『PX200用』 を加工して使用しています。加工の際、見た目を崩さないように、細心の注意を払いました。勿論、乗る事に重点を置いていますから、内部の補強もしっかり行っています。

この部分は何度も何度も仮り組みをして、フォーメーションを考えたので、もの凄く時間がかかりました。


『山吹色』 の 『渋いボディカラー』 に、憎い程メッキパーツが似合います (笑)。今回、『バックミラー』 には、『丸型を採用』 して、ライトの形状と対比効果を狙ってみました。


VSHのストック庫の中に、かなり古い時期に生産された、水で転写させる (もしかしたら純正の可能性 ? もあり) 『赤いコーション・ステッカー』 があったので、純正よろしく、グローブボックスの部分に貼ってみました。


サイドカバーを装着した際、“チラッ” と見える内側のメッキパーツが “エロくて” イイ感じでしょ (笑) 。
少ししか見えない部分に力を入れて、“チラッ” と見えた時に効力を発揮する、まさに 『パンチラカスタム』 とでも言いましょうか・・・ (笑) 。


『180SS』 一番のポイントは、何と言っても 『角目のヘッドライト』 ですね。VESPAビギナーの方には、なかなか受け入れられない事も多いようですが、角目って “不思議な魔力” があり、VESPAにハマればハマる程、角目の格好良さが分かって来たりします。あなたはどうですか ??


右斜め後方からのショットです。やはり右側は 『フロントサス』、『ハブカバー』、『リア・ブレーキペダル』、『キックアーム』、『フライホイール』 etc... 主要パーツが集結している為、こうして見ると、メカニカルで格好イイですね。

て、このページでは VSHで “フリクリカスタム” を施した 『180SS』 をご覧頂こうと思います。

以前も、この 『VESPAに乗って島に行こう!』 のコーナーで 『180SSフリクリカスタム』 をご紹介した事があるのですが、今回は、以前培った経験を生かし、更に進化したバージョンで、いわば 『Series-U』 と言う形で製作してみました。

勿論、今回もお客様のフルオーダーによる製作になったのですが、頂いたリクエストは・・・ 『最新の足回りを使用、しかしメカニカル過ぎるのでディスクは不可』 、『エンジンは200cc』 、『ウインカー + メインキーを装着』 、『色はフリクリ本来に近いような山吹色系』 ・・・と言った、基本的な事だけ・・・

後は 『VSHにおまかせします。』 と言った、太っ腹の方で、製作予算もたっぷり出して頂けました。いつも思うのですが、お金を持っている方って、簡単なリクエストで後はおまかせで、納期もたっぷりくれて、『出来たら、連絡して下さい』 系の、本当に “おおらかな方” が多いので、とってもイイ仕事が出来ます。

その反面困るのは、VSHでは絶対に相手にしないので、ここ最近では、出会う事がないのですが・・・ 金もないのに、グズグズ細かいリクエストを出し、納期も短いヤツ。正直、こんなヤツらに買える能力はありません。 結果、『お金が出来たら買います。』 ってほざく・・・ こんな事をほざいて、その後、買えたヤツなんて一人もいない ! ! こんなつまらない話を聞くほうが疲れますね (苦笑) 。

『金も納期もなく、その上、イイ物が欲しい』 なんて、まず、不可能ですからね !! そう言った点では、当店のお客様は、経済的にゆとりのある方が多いので、安心して仕事をお受け出来る事を感謝しています。

『レストア中』
細部まで完全に塗装を施したのは言うまでもありませんが、今回、一番のカスタム点は、フロアパネルの下の補強プレートを最新のPX200の重厚な物に変更したと言う事・・・

コレは180SSのフレームと、今回搭載したPX200のエンジンの年の差が25年近くもあり、フレームがエンジンの性能に付いて行っていない感じがあるのです。160GSにPX200のエンジンを搭載されて乗られている方には、僕の言う表現がお分かり頂けるかと思うのですが、60年代の “キャシャ” なフレームに、最新の200ccのエンジンを搭載すると、どうしても高速運転中、フレームが “ヨレる” と言うか、“ブレる” と言うか、うまく表現する事は難しいのですが、浮くような感じがして、安定がなくなるのです。

ソコで、VSHでは、フロアパネルを少し厚いプレートに変更して、裏側の補強プレートにPX200の物を採用、(上の写真左下・参照) フロア部分を重く、歪まない構造にして、重量バランスをフロアに集中させて、高速運転中、浮くような感じが軽減でき、安定して走れるように考慮してみました。

勿論、フロントフォークもPX200用を採用。50S用のフロントフォークのパーツを流用の上、サスが沈んだ時、必要以上に負荷がかからないように、補強プレートも2本入れました。大変でしたが、とってもヤリ甲斐のある内容でした! !


『エンジンカバー内部』 です。
この部分は、基本的にエンジンカバーで隠れるのですが、隠れるからこそ、気合を入れて製作しました。今回は 『PX200のエンジン』 を搭載するので、エアクリーナーの処理も板金で製作、『レギュレター』 や 『HTコイル』 の配置にも気を配りました。

また、『クランクケースのボルト類』 も全て 『メッキ施工』 して、カスタム感を高めました。勿論、『エンジン』 は 『オーバーホール済み』 で、殆ど見えない、『リアブレーキシューのバックプレート部分』 も、『ボディと同色仕上げ』 にしてみました。

自分なりにお客様の為に、細部にまでこだわり、妥協せずに手を入れて製作させて頂きました。簡単な作業ではありませんが、完成した時の達成感が大きいので、レストアって止められませんね・・・ (笑)。

いかがでしたでしょうか ? この 『180SS』 は?・・・ 正直なところ、カスタムは賛否両論です・・・ 以前、僕自身も、“いかに純正仕様にレストアして行くか ? ”と言う事を、日夜考えており、エンジンの乗せ換えや、過度な外観のカスタム等は、邪道だと思っていた頃もありました。でも、その考えを、今振り返ってみると、視野の狭い恥ずかしい考えだったように思います。

趣味は個人の個性が大きく反映されます。純正に乗りたい人は純正に乗ればイイし、カスタムしたい人はとことんカスタムして楽しめばイイ・・・ 趣味や価値観の相違を批判し合うのではなく、VESPAと言うカテゴリーの中で楽しんでいる、同じ趣味人として、楽しみを共有できれば、ソレで十分なような気がします。皆さんはどう思われますか ??

自分だけの最高の一台をお探しの方、VSHがお手伝いしますよ (笑)。

以上、『180SS フリクリカスタム Series-U』でした・・・

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左斜めからのショットです。こちらから見ると、『レーシング・マフラー』 が見えるので、『多少カスタム感』 がありますね (笑) 。


お客様のご要望で 『ウインカーを装着』 。『ドイツのヘラー製のデッドストック』 を採用・・・ それに合わせ、『グリップは旧型のオリジナル』 で、バランスを取ってみました。勿論、今回も 『VSHロゴ入りのPマーク』 を貼ってみました (笑)


ハンドル部分の 『メインキー』 は 『ET-3』 のパーツを流用、配線を全て造り直し、『ライトスイッチ』 は 『50Sのパーツ』 を流用して、使い易さとメンテナンス製を向上させました


今回は 『レーシング・マフラー』 を採用しました。イイ音を聞かせてくれますが、何より、『ヤッてる感』 が出るので、“見る物をビビらす” と言った点では (笑) 、視覚効果がバツグンだと思います。


『シート』 は当時の 『純正パーツ』 を張り替えました。ちなみに、今回は “男っぽく” 仕上げようと思ったので、『ラバー類』 を 『全て黒で統一』 しました。ですから、通常、『テールベースラバー』 には 『黒』 を使用する事は少ないのですが、今回はバランスを考慮して配置しました。


やはりラージボディの魅力は、お尻の大きさですね・・・ 君だけの “デカ尻彼女” が、『早く私に乗って〜』 って、言っているようでしょ ! (←オヤジ発言で申し訳ない・・・ 笑) 冗談はさておき、本当にこの角度から見たラージボディのラインは、とっても魅力的ですね。コレに異論を唱える方は少ないと思います。


左斜め後方からのショットです。こちらはマフラーだけしか見えないので、右側に比べ、随分とシンプルな印象を受けます。今回、『レーシングマフラー』 の装着により、エンジンカバー内のスペアタイヤは取り外しています。