●007 黄金銃を持つ男  ボンド・カー 『AMC ホーネット・ハッチバック』 

こちらが『007エキシビジョン』の外観です。なかな気合の入った建物です。『エキシビジョン』とは言え“にわか造り”ではなく、かなり本気モードだと言う事が分かります。




『ホーネット・ハッチバック』のリアビューです。ハッチバックだけあって流れるようなデザインがとても美しいです。ストーリでは新車の展示場にあると言うモノですが、これだけカスタムされた新車を『AMC』のディーラーが販売していたとは思えない・・・(苦笑)
と、・・・またまた意地悪な疑問が出てしまうのが『黄金銃を持つ男』の良い?ところ。




余談ですが・・・『スカラマンガ』は今回“空飛ぶ車”を出して来ます。ここまで来たら『ガキのヨタ話』を通り越してマジメに製作したスタッフを尊敬してしまいます!でも、せっかくだから『タイ』っぽく象で空を飛ぶとか、金色の仏教寺院が飛行機になるとか、もっと『最低なお笑い秘密兵器』を出して欲しかった・・・
『スカラマンガ』が逃げ込んだ寺院がそのまま飛行船になって飛んで行ったらみんなビビるだろう・・・そして笑うだろう。



余談をもうひとつ・・・『ポール・マッカートニー』と『クリストファー・リー』は007を通じて不思議なつながり?があります。前ページでもご説明しましたが、『黄金銃を持つ男』の前作『死ぬのは奴らだ』(1973年上映)では音楽を『ポールマッカートニー』が担当。シングルもサントラも最高の仕上がりです。特にサントラは『ジョージ・マーティン』が全体のコンポーザーをやっているので、明らかに『ジョン・バリー』よりロック色が強く垢抜けています。(上の写真参照・サントラとシングルです。)

実は『クリストファー・リー』は、1973年に発売された『ポールマッカートニー&ウィングス』のアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』のジャケットに出演しています。(下の写真参照)コレは僕のような『ポール・マッカートニー信者』の間では承知の事実なのですが、ある意味、007をリンクさせて見ると面白いですね。興味のある方は是非、チェックして見て下さい。

回の『ボンドカー』は『AMC・ホーネット・ハッチバック』。
2001年と2002年の2回に渡り『イギリス』の『ビューリュー』で開催された『ジェームス・ボンド・エキシビジョン』を見学しに行った際、撮影して来たオリジナルの『ホーネット・ハッチバック』の写真がありますので、是非ご覧下さい。
2001年の『エキシビジョン』の模様はこのHPの『スパイの車って見たことある?〜T・N・Mミュージアム』のコーナーに記載していますが、2002年は前年度とは内容も変わり、映画で登場した『ボート』を中心に展示してありました。また、前年には展示されていなかった、今回ご紹介する『ホーネット・ハッチバック』も新たに展示されていたのは、僕にとっては渡英した最大の収穫になりました。真っ赤なボディに白いストライプ。それにクレーガー系のクロームのワイドリム等、今でも十分に通用するセンスの良さです。

AMC・ホーネット・ハッチバック』です。真っ赤と言う表現の中ではイタリアン・レッドが印象深いですが、今回のような70S'テイスト抜群の朱色系も大変に素敵な色だと思います。最近のマイブーム色で、一ヶ月の間にこの雰囲気の赤色のVESPAを三台も製作してしまった!

 
 いつもの流れから行くと『ボンドカー』は『ボンド』の懐刀(ふところがたな)兼、保護者?の
『Q』(秘密兵器の開発者)が最初に手渡たす『アストン・マーチンDB5』のイメージが強いのですが、今回は“東南アジアへの出張”だった為か?そう言う場面は全く無く、車好きの方には冒頭から少々肩透かしをくらった感もあります。

で、肝心の『ホーネット・ハッチバック』はどこで出て来るのか?

これもまた、ストーリー的には超強引なんだケド・・・『スカラマンガ』に車で捕らわれた『グッド・ナイト』を救出しようとしている『ボンド』は、東南アジアに出張中なので『ボンドカー』が無い・・・しかし、まるで映画のごとく(笑)偶然に『AMC』のカーディラーが『ボンド』の後ろに・・・(笑)
ここで、試乗車の『ホーネット・ハッチバック』をガラスのショールーム・ウィンドウを壊して拝借すると言うモノ。

『ええんかい?こんな事で・・・』と思わず言ってしまいたくなりますね・・・泥棒ですよ!この行為は・・・まぁ、何度も書きますが、そんな細かい事を考えていると、ストーリーに置いていかれるのですぐに忘れましょう。


展示車両には一台一台にきちんとしたキャプションが述べられています。『Original』と言う表現をされていたので、映画に使用された車両だと思われます。感動モノです!

 
 とにかく『ボンドカー』として『ホーネット・ハッチバック』を手に入れた我らが『ボンド』は、一路『グットナイト』を救出すべく『スカラマンガ』との壮絶なカーチェイスを繰り広げると言うモノです。
勿論、何も考えずに見るこのカー・チェイスは最高です。特に壊れた橋をきりもみの360°回転で飛び越えて渡るシーンは何度見ても爽快そのもの!『黄金銃を持つ男』の中では、唯一?『見てよかった!』と言えるシーンですね

↓360°回転の橋越シーン↓

『ありえね〜・・・』壊れた橋をキリモミ回転して飛び越えるシーンです。この映画『黄金銃を持つ男』の中で唯一?の見どころです。最近の映画ならまずCGだろうけど、007では完全スタントでやってます。コレだけ素晴らしいスタントを見せてくれるのなら、ストーリーをもう少し練って欲しいと思うのは僕だけでは無いハズ・・・

 いかがでしたでしょうか?少々偏った『ボンドカー』の解説になってしまいましたが、映画を見る際の参考にでもなれば幸いです。

                 
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『エキシビjiョン』外部の案内看板です。40周年記念と言う事が切々と書かれています。007マニアとしては看板ひとつにしても嬉しくなるモノです。




エキシビジョン』の内部です。奥に広い建物で、007の製作年ごとに順を追って見る事が出来る親切なモノでした。




『グッドナイト』を救出すべく『スカラマンガ』の後を追跡しようとした『ボンド』には車が無い・・・
でも偶然!後ろには『AMC』の新車のショールームが・・・
ん〜何て分かり易いストーリー。
でも、007シリーズでは良くあるコトです。正義を守る為には、一個人のささやかな財産等はゴミ同様・・・
まさに民主主義!




ちょっと脱線しますが『ボンドカー』つながりで、僕の大好きな一台をご紹介します。『黄金銃を持つ男』で大コケした007スタッフが、威信をかけて製作したのが次作の『私を愛したスパイ』(1977年上映)です。この映画は僕の中では超フェイバリット!この映画は最高です!
車が潜水艦になると言うストーリーには子供心にワクワクした記憶があります!実際に『エキシビジョン』では人気車両の為、2001年、2002年共に展示がしてありました。事実UKでもこの映画の人気は高く、『ボンドカー』の『ロータス・エスプリ』も大人気です。人気のあまり潜水艦になるミニカーまで発売される程です。