必死の思いで? 島の案内地図を手に入れた僕が (詳しくは真ん中の本文参照) 最初に目指した場所は、島のシンボル的な山 『神峰山』・・・

『しんぽうざん』 と読むのかと思いきや、『かんのみね』 と読むのが正解。とってもアリガタイ呼び名の山です。


こちらは 『神峰山 (かんのみね) 』 の展望台です。ちなみに山の高さは452メートル、晴れた日には 『四国連峰』 や 『しまなみ海道』 も見えますよ。

青空と眼下に広がる大海原とVESPAのロケーションが素敵だと思いませんか? 僕が行ったのは、平日のお昼だった為か? 誰もいませんでした。正しく貸し切り! 瀬戸内のパノラマ独り占め!(笑)。


こちらは 『神峰山 (かんのみね) 』 から下山中に、偶然、遭遇した古いお寺です。
偶然と言えば聞こえがよいのですが、実は下山途中、複雑な小道に迷ってしまった次第で、来た道を見失っていたトコだったのですが、結果、良い物が見れました。


海沿いの道を走行中、気になる神社に遭遇・・・
道路脇に石垣 (垣根) もなく唐突に現れる神社です。鳥居には 『恵比寿神社』 と書いてありました。お社に比べ、鳥居だけ新しいのでよく見てみると、新しい鳥居の裏部分に、『平成拾参年五月芸予地震崩壊再建』 と重々しく彫り込んでありました。 

また、奥のスペースの方にも倒壊して足場だけになってしまったような場所が数ヶ所あり、その部分には 『さつまいもの碑』 (経緯不明です。) と言う看板が掲げてありました。先の地震では多くの文化史跡が倒壊したと聞きました。この 『恵比寿神社』 も例外ではなかったようです。もしかしたら、地震以前には、道路脇に立派な石垣があったのかも ? しれませんね。



て、のっけから楽しみ方に少々悩んでいるこの 『大崎上島』 ですが、やはりTVの影響は大きいと思います。TVでいかにも観光の島、癒しの島暮らし等と誇大 (個人的に少し思う) に表現していたモノですから、僕のような単純な人間が過度に期待して遊びに行ってしまいます。

でも、よくよく考えてみれば、島に来る=何も無い事を楽しみに行く訳ですから、下手に観光的なスポットを探したり、コンビニが無い事に驚愕していては、
本当の島歩き(島&VESPA?)は楽しめないな・・・って思いました。
こんな美しい島に来て、コンビニを探している小さな自分を反省する事しかり(苦笑)・・・
今さら説明の余地もないですが、この 『大崎上島』 は、単純に島の景色や自然を楽しむという点ではこのうえない素敵な島なのですから・・・

さて、先のページで、今回訪れた 『大崎上島』 の生い立ちや概要をご紹介しておりますので、ここでは、その補足情報を少しご紹介します。

『大崎上島』 は瀬戸内海に浮かぶ 『芸予諸島』 のほぼ真ん中に位置し、南側には 『愛媛県の大三島』 や 『岡村島』 に海上1kmで面しています。また、北は呉方面からの陸の玄関口 『竹原市・安芸津町』 に海上10kmで面しており、フェリー便に関しては四国の今治へも就航しているとの事。
島の人口は10,000人余り (結構、多いのでビックリ!) で、面積は43.26km2、瀬戸内海独特の温暖少雨な気候の為、年間を通じて降雪&降霜日数も少ないそうです。どうですか、あなたも今ハヤリの 『Iターン』 をしてみては?(笑)

僕の住んでいる 『呉市』 から見た 『大崎上島』 の場所 (位置関係) をご覧下さい。
と、言っても、この小さな地図ではピンと来ないかもしれませんね・・・ 『あっ!そうだ、大和ミュージアム』 に来られた際に、時間のある方は足を伸ばしてみては・・・と言う感じで見て頂ければ、夢が広がるのでは(笑)。
『大和ミュージアム』 同様、瀬戸内の美しい島々も、是非お立ち寄り下さい。

さて、島に着いてからの話に戻しますね。先のページでもご覧頂きましたが、最初は 『長島大橋』 と言う、大きな橋が目に入ったので、アテもなく行ってみたトコまでは良かったのですが、この後、どこにどうハンドルを向ければ良いものか?・・・
考えた末、僕のグレーの脳細胞がはじき出した答は、『役場に行けば、島の案内的な地図は存在するだろう』 と、小学生でも気が付くようなキッチュな内容・・・
とりあえず、『第一島民』を見つけて、役場の場所を聞き出し、『P200XE』 のアクセルワークもかろやかに役場へと行きました。

しかし、『所変われば品変わる』 じゃないですが、(うまく形容出来てないですが・・・) 役場の建物はあるモノの、入り口がどこだか皆目検討がつかないのです。
建物の周辺をグルグルと何度も回ったのですが、本当に入り口が分からない・・・この時ほど、メビウスの輪のねずみの気持ちが痛い程分かった瞬間は無いです(苦笑)。

10分くらい同じ事を繰り返していると、軽のヤンキー仕様に乗った島の若者が、タバコの自動販売機の前に車と止めているのを発見! 街中では恐ろしくて絶対に声などかける事は一生ないであろう人物だったのですが、『背に腹はかえられない』、と、言うよりこの場合、『役場の入り口にはかえられない』 ・・・
勇気を出して、『すいません、役場の入り口を教えて頂けません』 と尋ねると、外見からはとても想像が付かない程、親切な方で、嫌な顔もせずに、非常に分かり辛い入り口の場所まで一緒に来てくれました。
いや〜感激ですな・・・ 『人は外観では判断が付かない』、この島ではその『伝説の言葉』が生きている!

もし街中でレクサスにクラクションを鳴らしたり、腕にタトゥーを入れた兄ちゃんが運転するローライダーのインパラの前に強引に割り込んでごらんなさい、顔が3倍に腫れ上がるまで、ボコボコに折檻される事は必至・・・
『外見どおりの人間だった』。 都会ではここ数年、この言葉の方が正しかったりしますから・・・

話が少々ソレましたが、何はともあれ役場に入る事が出きて、無事に島の地図もGET(死語?) ようやく、スタートラインにつく事が出来ました。
僕のような行き当たりばったりのツーリングも悪くないですが、とりあえず、ツーリングに出る際は、よく下調べをする事をお勧めします。
(僕が言えた義理じゃないですが・・・笑)

こちらがなかなか発見出来なかった役場の入り口の様子です。周辺を工事していた事もあり、本当に探すのに苦労しました。中に入って係の人に 『地図はないですか?』 と、聞いてみたところ、めんどうくさそうに愛想なく、エントランス付近の地図のある棚を指差し、『勝手に選んで持って帰って下さい・・・』 系のつれない態度・・・都会の役場ではサービス業という認識があり、最近では非常に親切な対応をしてくれるのに比べ、やはりこういう島の閉鎖的な役場は 『公務員はエライんだぞ』 的な殿様商売の悪しき慣習が抜け切らないようです。少なくとも、僕に対する対応は残念ながらそういったモノでした。少々悲しい思いをしました・・・
 

つづく→

こちらは、その 『神峰山 (かんのみね) 』 に登る途中の様子です。道幅が狭く、VESPAで来て正解です。

途中、古い史跡や僕の大好きな道祖神のような古い仏像がたくさんありました。静かで本当に神秘的な山です。


   
こちらは 『神峰山 (かんのみね) 』 の展望台から瀬戸内海を見下ろした様子です。役場で頂いた島の案内地図に『360度の大パノラマ』と書いてありましたが、その言葉に偽りなしです。

少しでもこの景色をお伝えしようと、魚眼レンズで撮影して見ましたが、こればかりは実際に見て頂く事をお勧めします。



こちらの写真は迷って偶然に遭遇したお寺の内部です。美しく銀砂が敷き詰めてありました。

島の案内地図にも記載されていなかったので、後から調べてみたところ、この古いお寺は 『月桂山 清水寺』 と言う名称で、1755年に建立されたお寺だそうです。現在では町の重要文化財に指定されています。


こちらの写真も、海沿いの道を走行中に発見した変な建物です。
外観は島には似つかわないような中華風・・・シンガポールの旧タイガーバームガーデンのようです。
『ラブホテル・敦煌』 とか看板を掲げても違和感がない位 "お下劣な" 建物です。

偶然、乳母車を押す、島のおば〜ちゃんが (写真の赤い丸の方) 来たので、この建物の事を聞いてみたトコ、『かもめ館』 という集会所のような場所との事・・・さらに 『いつもは閉まっていて何にも使っとらん。たまに葬式がある時に寄り合いがある位じゃ(広島弁)』 との事・・・このハデな建物はバブルの忘れ形見かも? しれませんね。